これは、会社と自宅を往復する毎日で心がすさんだ22歳の私が
19歳から22歳までの3年間郵便配達員として働いて貯めた105万円で
人生を動かすきっかけを買った話です。
ただの雑記なので、もしかしたら何の役にも立たない記事かもしれませんが
誰かが勇気ある一歩を踏み出すきっかけになるかもしれないので書き残します。
是非読んでみてください。
会社と自宅の往復で酒におぼれていた日々
20歳。今日がどんな天気だったかすら覚えていない毎日でした。
朝起きてお風呂に入り、朝食は5分で食べ、4km先の職場へ自転車で向かいます。
始業2分前に出勤簿に判を押し、持ち場につくといつもそこには棚に入りきらないほどの郵便物がありました。
それらを黙々と配達順に並べ、配達用の自転車の荷台に山盛りに積んで配達に出かけます。
交通事故と誤配には気を付けながら500軒ほどの家を回り、1000通ほどの郵便を郵便受けに入れていきます。
そして、班全体の郵便物が綺麗になくなったらお仕事終了です。
これを週に5日。
何かトラブル等があったら休みの日だろうが退勤後だろうがお構いなく携帯に電話がかかってきました。
仕事のことが頭にちらつかず本当に休める日なんて1日もなかったです。
同じことをただただ繰り返す退屈な毎日でした。
職務中に感情を持ち出すと、雨風強い日や遠くへ行かなければならないときに
嫌だなという感情が先行してしまい、配達に行けなくなるので感情は全て排除です。
今思い返すと、ただただ職務を遂行するだけの機械のようだったなと思います。
もちろんそんな状態は嫌だったので、帰宅するとその感情を紛らわすためにお酒をたくさん飲みました。
元々お酒は強くないのですが、ウイスキーや日本酒などを吐く寸前まで週6~7で飲んでいました。
そして制服を着たままベッドに横たわり、歯磨きもせず、風呂にも入らず、電気も付けたまま気絶したように眠ります。
3時頃目が覚めてまだ早いと二度寝し、7時に起きてまたbotのような毎日を繰り返す。
もううんざりでした。
口を開けば愚痴しか出てこないし、気晴らしに友達と遊ぼうにも友達はみんな大学生で予定が全然合わないので、
職場でめちゃくちゃ仲良くなった超綺麗なモデルのお姉さんと10時間くらいLINEをしたり、一緒にいろんなところに遊びに行ってたりしていました。
愚痴と酒と綺麗な女性で嫌な感情をごまかし続けた日々は
いつ明かりがつくか分からない真っ暗闇の中にいる気分で、1日1日心が荒んでいきました。
この日常から抜け出したいけれど、それにはどうしたらいいのか分からず、また検索する発想も持ち合わせていなかったので
とりあえず外部にヒントを求めて友達と占いに行くことにしました。
この先の人生に悩み、訪れた横浜の占いで「自己投資」という言葉を知る
横浜の赤レンガ倉庫の中にある占い屋だったかと思います。
1000円で手相を見てもらえるところだったのですが、
手を出して一発目に
「あなた今、人生つまらないでしょ」
その通りだよとうなずき、まんまと心をつかまされました。
当時21歳だったのですが、運命線が通るであろう場所に何の線もなくツルツルだったのです。
(運命線は、手のひらのど真ん中を手首らへんから中指めがけて通る線の事)
生まれてから21年も経っているのに、人生始まってすらいませんでした(笑)
そのほかにも占い師さんは私の手相を見ていろいろ伝えてくれました。
結婚は遅い方が良いこと。
コツコツする仕事が向いていること。
勘が良いので直感には従った方が良いこと。
お金には困らないこと。
自己投資に結構お金を使うこと。
将来は今とは全く違う人生を送ること。
悪いことも何か言われたはずでしたが、一切覚えていません(笑)
これまで真っ暗闇にいる気分でしたが、遠くの方に小さな明かりが見えたような
そんな希望を与えてくれた占い結果でした。
「自己投資にお金を使う」ということが引っ掛かり、自己投資が何かすら分からなかったため、
とりあえずググってみることにしました。
将来リターンを得るために自分自身にお金を使うということが自己投資だと分かったので、
何にお金を使おうか考えました。
考えた末に手に職を付けることを決意
まず最初に、この不満でいっぱいな現状がなぜ起こっているのかを解明する必要があります。
自分に何の資格もスキルもないからだという結論に至りました。
スキルがないなら身に付ければ良いですね。
どのスキルにしようか選ぶ際に、Google検索で出てきたものたちでは選択肢があまりに多すぎて何にしようかなと迷ったので、
自分はどういう働き方がしたいかを考えてみることにしました。
世界中のどこに居てもPCがあればできるような自由な働き方がしたいと思ったので、
それができるスキルは一体何かといろいろ調べた末
プログラミングに決めました。
プログラミングを学ぶにあたって、独学かスクールに通うか迷ったのですが、
仕事を辞める口実が欲しかったのでスクールに通うことを選びました。
会社を辞め、プログラミングスクールに75万円払う
プログラミングスクールへの入学もまだ決まっていない段階で、「IT業界に挑戦するから退職します」と郵便局に退職願を書いて退職した22歳の春。
その後無事75万円払って渋谷にあるプログラミングスクールに通い始めました。
そこで出会ったのは、
・18歳で飲食店を立ち上げた同い年の青年(スクールのスタッフ)
・26歳で1.7億円の資金調達をする社長(スクールの社長)
・何故か2000万円の貯金を持ってる21歳(クラスメイト)
自分の中では、この出会いは革命でした。
会社に雇われて20~40万ほどのお金を貰っている人たちとしか関わったことがなかったからです。
あのまま郵便局で働き続けていても、こういう人たちとは絶対に出会わなかったと思うので、
郵便屋を辞めてよかったと本気で思います。
同期11人中9人辞めていった現実
一緒に入ってきたクラスメイトたちはそれぞれの夢を持っていました。
プログラミングを学んで収入を上げたい
スキルアップして市場に求められる価値ある人材になりたい
などなど、凄いなと励まされるような夢をみんな自己紹介で語ってくれました。
そこに紛れ込んだ手に職が欲しいだけの元郵便屋。
全然PC使えなくて先生たちを困らせるので初日から幸先不安です。
半年間でIT業界に転職することを目指したカリキュラムだったので、
週1で行われる授業と2週に1度提出しなければならない課題は過酷なものでした。
HTMLすら書いたことがない人たちがたったの半年間でRubyのエンジニアとして使えるようにならなければならなかったので、
できない人たちはどんどん置いていかれます。
最初の課題で1人脱落し、3つ目の課題でまた脱落。
日を追うごとにまた1人、また1人と消えていきました。
課題に合格しないとその時点で退学なので、必死に食らいついていました。
Google検索とテキストエディタを交互に見て、全然解消されないエラーに悩まされて。
多大なストレスに免疫力が下がって皮膚病を発症したんですけど、
それでもなんとか全てクリアすることができました。
最初は11人いたクラスメイト。
結局最後まで残ったのは、手に職が欲しくて紛れ込んだ機械音痴と
謎に2000万円持っている21歳だけでした。
105万円と180日間で手に入れたもの
スクールに半年通って、結局IT転職は諦めることにしました。
まずプログラミング自体が向いていないのと、
転職した後の働き方が望む働き方じゃなかったからです。
自分なりに頑張ってみたけど、ダメだったからいいやと気持ちの整理をしていたところ
謎に2000万円持っている21歳は、2000万円を手に入れた経緯をスクール最終日に話してくれました。
「メールオペレーターの仕事で情報商材を売って、2000万円を歩合で貰った。多いときは月に300万円稼いでいた」
全く予想していなかった経路の収入だったので、これを聞いたときは頭を殴られたような衝撃でした。そんな世界があるのかと。
メールオペレーターという仕事も知らないし、情報商材もよく知らない。
月に300万円稼ぐ世界も知らない。
途中でスクールを辞めていたら絶対に聞くことはなかった話なので、
これだけでも本当に儲けものだと思いました。
そしてその後いかがわしいメールオペレーターの面接に何度か行き、
情報商材をしこたま買ってクレカの支払いが滞るのですがそれはまた別のお話。
スクールに通い始めてから、終わるまでにかかったお金は約105万円。
学費に750,000円
電車の定期代71,000円
バス代65,000円
ノートパソコン165,000円。
これで105万円。
これを払って得たものは
HTML/CSS/javascript/ruby/AWS等少しのプログラミングの知識と技術
ググり力
やればできるという成功体験
全く知らなかった世界の情報
最初は欲しかった手に職は結局手に入らなかったけれど、十分なものは得たと個人的には思っています。
プログラミング学んでいたのに結局何にもならなくて大金をドブに捨てたと、5年たった今でも家族から未だに言われますが、
あそこに通わなければ私は今もまだ真っ暗闇の中沈んだ気持ちで生きていたでしょうし、
お金の勉強をすることもなければ、ネットで稼ぐ世界も知らなかったでしょう。
最後までやりきったから出会えた人がいたし、得られる経験があったし、助かる命があったのです。
そしてこうして、この文章をあなたが読むこともなかったでしょう。
それのどこがドブだと言うのでしょうか。
私は105万円で、人生を変えるきっかけを買いました。
これまでに買ったどんなものよりも高価で、価値のあるものを手に入れました。
この経験が、いつか誰かの勇気になればと思ってここに書き残します。
最後まで読んでくださりありがとうございました。